「何の用だったの?」
平静を装って何気なく聞くも、戻ってきた阿久津の手にこげ茶色の紙袋がぶら下がっているのを見つけ、なんとなく察してしまう。
「も、モテますね、阿久津さん。わざわざ家にまで来るなんて、その女の子もやるう! ヒュー! よっ、色男!」
「辻野うざい」
「……えへ?」
首を傾げて苦笑すれば、その紙袋を持ったまま阿久津は私の隣に座った。
木製のベッドがぎしりと、音を立てて軋む。
なんでこっち来る……!?
ちらりと微かに毛布の盛り上がったところを見るけれど、隣の青年は気付いてる風ではなかった。せ、セーフ。
ていうか、ここには私が座ってるんだから、床とか、机の椅子に座るとかしてくれないかな。
……やっぱり、阿久津が来る前に寝転んでベッドを占領しておけばよかったか。しかし時既に遅しだ。
「……また、告白されたの?」
なんとか自然な流れで会話を続けようと、彼の手元の紙袋に視線を落とす。
ホチキスで留められて中身は見えないけれど、阿久津君へ、と袋の右上に丸っこい字で書かれた付箋を見つけた。

