カルネージ!【完】





阿久津は真面目だ。そういうことに関しては。ちゃんと空気を読める。


自分に好意を寄せてくる相手を傷つけない。ただし、私とか、仲の良い男子には毒舌だけど。


だから私もどんなに馬鹿にされたって、阿久津の一番深いとこ、芯がしっかりしてる人だと知っているから、付き合ってこれている。



……ふーん、付き合わなかったんだ。


ちょっとホッとした。



……もしかして、私の知らないだけで彼は今までも何人かの女の子には言い寄られてきていたのかもしれない。




「どんな子だったの?」


「秘密」


「可愛い子?」


「辻野よりは」


「……」




まあ大体の女子はそうでしょうとも……!



そこでふと、自分の背後に隠した紙袋の存在を思い出し、あ、と小さく声が漏れた。


そうだそうだ、すっかり焦って忘れてたけど、これどうしよう。



どこかに隠して置いて行こうなんて、私の考えが浅はかだった。


やっぱり、直接渡すか、諦めるか、どちらかしか選択肢はない。