……いや、そうだろうなとは、なんとなく思っていたけども。
実際本人の口から聞くと、生々しいって言うか、現実っぽいって言うか、……いや現実なんだけど。
「……付き合うの?」
言った瞬間、私の中に不安な気持ちが一瞬で駆け巡り、そんな風に感じていることに更に動揺した。
……だってあの阿久津に、彼女って。想像できない。若干ショックを受けているのは、そのせいだ多分。
「付き合ってたら軽く10時間は辻野にのろけてるよ」
「……じゃ、フッたの?」
「まあ、結果的には」
「……へえ。……なんで秘密にしてたの?」
「なんとなく」
素っ気なく言って、ピンクの袋を持ち上げた彼はそれを机の上の、他のものと一緒に端に寄せる。
……あんなに彼女を欲しがっていた阿久津のことだから、告白なんてされた日にはすぐに私に自慢してくるだろうと思ってたのに。
いや、まあ、付き合ったならともかく、フッた相手のことをべらべら喋るような男は最低だって思うけど。

