「……本当にすみませんでした」
「ウザいからもう謝んなくていいよ」
そうっと体を起こせば、いつもと変わらない表情の阿久津と目が合って、慌ててさっと目をそらした。
……呆れてるのか、怒ってるのか、よくわかんない顔だよなあ。
「……もう怒ってない?」
「ま、いいよ別に。辻野に自慢するいいきっかけができたし」
「……でも阿久津、さっきチョコもらってないって言ってたよね?」
びくびくしながら訊けば、ああ、と彼はため息を吐く。
よ、よかったー。どうやら本当に許してもらえたっぽい。怒ってないっぽい。
テーブルの上にコップが置かれていたから、それを勝手に一口飲めば、図々しいね、と嫌味を言われた。
今の一瞬ですごく喉が乾いたんだもん、しょうがない。
「苦節17年、初の快挙だよね」
「本命チョコだよね? それ」
「告られた」
「えっ!?」
何気なくあっさりと告げた阿久津に対し、自分で思ったより大声が出て、テーブルの上の袋を見つめる。

