――『あーあー。可愛い彼女から手作りチョコもらいたいなー』――
……つまりこれは、そういうこと?
友チョコとか義理チョコなんかで渡す気合の入り方じゃない。
誰がどう見たって本気チョコだ。阿久津は私の知らない誰かから、本命チョコを貰っていたってこと。
……ていうか、勝手に開けちゃったよ。何してんだ私。
気になっちゃって、我も忘れてラッピングを解いてしまった。
やばいやばい。……やばいやばいやばいやばい。阿久津に見つかればなんて言われるか分かったもんじゃない……!
『無許可で人の私物漁るなんて大した身分だよね。ブルーシートとロープで辻野のことラッピングしてあげるよ』
くらいのことは、言われてしまいそうだ。
ていうかそれ私のこと殺す気満々すぎだろ……! 死体遺棄の方法をよく分かってる……!
自分の妄想に突っ込みながらも、そんな場合じゃないと思いだして慌てて小箱を袋の中に戻した。
……阿久津のことだから、容赦なく私のこと警察に通報しそうだ。

