きょろきょろと室内を見回すけれど、部屋が広い割に家具は少なく片付いているため、そんな都合のいい場所は見つからない。
机の引き出しの中とか、クローゼットとかを勝手に開けるのはどうかと思うし、ベッドの下とかだと永久に見つからなさそう。
ベッドの上に布団でかぶせておくのもいいけど、間違えて潰されちゃったらいやだなあ。てか潰す阿久津が嫌そう。
でも早く決めないと奴が戻ってきてしまう。
焦って部屋の中をうろつきまわるけれど、一向にいいアイディアは浮かばず、ふと机の横にかかったリュックサックが目に入った。
学校にいつもしょってきている、オシャレだけど機能的なものだ。阿久津はセンスが良い。
……もしかして。
これなら、最低でも明後日の朝には見つかるし、上手くいけば授業の準備のために、今日か明日にでも彼の目に留まってくれるかもしれない。
幸い、私の用意した紙袋の中身はまあまあ日持ちするものだし、衛生的にもおそらく大丈夫だろう。
さすが私。冴えてる……!
そうと決まれば。と、急いでそれを阿久津のリュックに押し込めるため、チャックを開いた。

