考えていれば、テレビを消した阿久津はベッドからふらりと立ち上がり、ドアへ向かう。
「どこ行くの?」
「飲み物持ってくる。安心してよ、辻野には豆乳持ってくるから」
「……お気遣いありがとう」
「いえいえ」
ドアが閉まってから、自分のぺったんこの胸を撫でた。
くっそ……! くそ……! 豆乳て豊胸効果があるらしいけどね……! あれで阿久津なりの優しさのつもりか!?
舌打ちしながらも、畳んで部屋の隅に置かせてもらったコートの上の、ハンドバッグを持ち上げて、その中から紙袋を取り出す。
――バレンタインのチョコなんてない、と断言してしまったものの。
一応、クリスマスのお礼も兼ねて、義理でプレゼントを持ってきていたのだ。
甘いものが苦手だと言っていたから、苦いのを選んでみたんだけど……。
なんとなく渡しづらい。
から、阿久津の部屋にこっそり置いて行こうと思う。
私がこの家にいる間には見つからなくて、でも質が悪くなっちゃ勿体ないから、なるべくすぐに見つかるところ。

