「な、な、な、何するんですか……っ」


「……あのさ、……死ぬほど認めたくないけど、俺辻野のこと普通に好き」


「認めたくなさすぎじゃない!?」


「ごめん、悪いけど割と本気だから」


「っだから、エイプリルフールに騙されたりしないって……!」




羞恥のあまり、だからさっさと離して、と叫びそうになったところで、体は放された。



スキンシップを求めたいお年頃なのだろうか。……赤ん坊か。私は母親か!?


……あー、びっくりした。



心臓はドキドキしたままで、文句のひとつでもぶつけてやろうかと阿久津を見れば、彼はいつもの調子で、人を見下すように不敵に嗤う。



どうせ、焦った私をざまあみろとか思ってるんだろう。


騙されるものか、騙されてなんかあげない。




「……覚悟しとけば?」


「え、何を……」


「……また明日言うから、ちゃんと返事考えておきなよ」




捻くれた彼の、言葉の意味を理解するのには数秒かかる。