気が付くと、俺は泣いていた。 「大丈夫!ごめん!急に!目にゴミが入っちゃったみたいで!」 慌てて制服の袖で拭う。 「あ、大丈夫です…。あの、何か用事でしたか?」 不思議そうな声がする。 そ、そうだ。 プリント。 「プリントを渡しに来たんだ!今日、欠席だったから、先生に頼まれて」 俺はプリントを差し出す。 「ありがとう」 受け取りながら彼女は礼を言った。 その時、初めて目が合った。