「いいですよ」 そう言うと先生は安心したような顔をした。 「じゃあ、宜しく頼むな。一応、地図渡しとくから?」 「あ、いえ、表札見ながら探すんで大丈夫です」 「そっか。確かに人の個人情報渡すのも良い事じゃないしな。じゃあ、さようなら。気をつけてな」 「はい、さようなら」 先生に礼をしてから職員室を出る。 職員室を出ると溜息を深くついた。 幸の家が俺の家の近くだったなんて。 早く行かなくては。 こうして俺は早くも、幸に会うチャンスを掴んだ。