「メシ」 翔君だった。 どうやら食事の準備ができたみたいだ。 みんな、いっせいに立ち上がり部屋を出始めた。 どこに行くのかわからないあたしが、ぼーっと突っ立っていると、亜弓ちゃんが腕を絡ませてきた。 「愛結たん、ご飯。行こ」 「えっ、う、うん」 愛結たんっていうのがすごく気になるが、連れて行ってくれるみたい。 亜弓ちゃんに腕を引っ張られるがままについて行くと、廊下のつきあたりに部屋があった。 たぶん、あたしが最初にここへ来たときは閉まっていたんだと思う。