「着きましたよ、星川さん」 大っ嫌いな、平城の声がする。 車で送ってもらっている間に、寝ていたみたい。 車の中から外を見ると、そこにはとても小さくて汚れた建物があった。 まぁ、施設なんてこんなもんかな。 「星川さん、車から降りて。中に行きましょう」 「はい」 車から降りて、その建物を見上げる。窓も小さいし、建物自体にコケやら草やらがまきついている。