と、運よく職員室まで誰にも会わず来たものの、ここに来てはたと気づいた。
病欠してる私がわざわざ職員室に来るっておかしくない!??
じゃあ、どうすれば…。
ウロウロしていると、背後から声を掛けられた。
「中嶋さん?」
隣のクラスの柳瀬優子(ヤナセユウコ)先生、通称ダサ子先生だ。
「もしかして、桜御ヶ原先生に用?」
「あっ、はい」
「桜御ヶ原先生なら、この時間体育館の裏にいるわよ。行ってみたら?」
ずり落ちかけた瓶底眼鏡をキュッと上げた先生は、ニッコリ笑って行ってしまった。
すれ違い様、微かに香ったフローラルの匂い。
今まで気づかなかったけど柳瀬先生ってすごく良い匂いしてる。
……。
おっと、それより時間時間!!
体育館の裏って、何て言うか、老けたヤンキー学生みたいだな。
あれ…?でも、柳瀬先生がどうしてそんな事知ってるんだろう。
気にはなるけど…。ああー、もうっ、今はまず自分のことだっ!!

