どうしてそれを知ってるの?俊先輩に聞いたとか?
「女とか、そんなわけ、あるはずねえじゃん?もしかして、誰かに聞いたとか……」
ヤバッ。声が裏返っちゃった。
「安心しろよ。そんなんじゃねえから」
「じゃあ、どうして…」
「入学式の日、美夜と茗の話し声が偶然聞こえたんだよ」
確かに。言われてみれば、あの日、理玖は私の近くにいたっけ。
家を出てすぐの時、"私"とかって言っちゃって、それを茗に注意されたから、聞こえちゃったんだ。
「けど、どうして私のことなんか?今までそんな気配ちっとも見せなかったくせに」
「当たり前だろ。ここはヤローばっかなんだし。皆がお前のこと、男だって思ってる以上、何かあるとか思わなかったし。でも、まさか彼氏が茗ってのは……」

