そのまま、暫く歩いていると、丁度良い所に桜御先生の後ろ姿を見つけた。 「先生~……」 と、言いかけて、慌てて言葉を呑み込む。 前に誰かいる。――あれは、柳瀬先生? 「ほら、高司。私のクラスの圧勝よ、あの件、言い訳せずにしっかり謝りなさいよ」 先生の名前が、桜御ヶ原高司だということは頭からすっかり抜け落ちていた事に気づくと共に、柳瀬先生の言うあの件というものが、ものすごく気になる。 もしかして、二人が喧嘩したいきさつが聞けるかも。 私は、興味深々に物陰へと隠れた。