すると、私が持つゴミ袋に目にした先輩が、周りを気にしつつ言った。
「手伝ってやりたいけど、こっちも仕事あるから。悪いな」
もしかして、気遣ってくれた――?
「大丈夫ですよ。これくらい、ほら!」
そう言って、わざとゴミ袋を持ち上げると、出来る限りの笑み浮かべた。
ヒー、重いー。
「オッケー。んじゃ、またな」
「は……はあい」
今ので余計な腕力をつかっちゃったわ。
ふう。
項垂れる様に、一度、大きく肩を落した私は、再びゴミ袋を持って歩き出した。
全く、小分けにしてくれれば良いのに。
男子ってこういう所が雑よね。

