「いらっしゃいませ」
入口の前でボソボソと喋った女の子は顔を赤くして俯いた。
「オッケー。三名様入りまーす」
その声と共に、友達らしき女の子二人が教室に入って来た。
「今、丁度空いた所で、相手の男子も選べますが、どうします?」
空いてたのはずっとでしょ?……と、思っていると、最初に入ってきた女子がおずおずと私の方を指さした。
ちょっと、まさか。
「私、あの人に……しようかな」
「!!?」
「ヒュー。中嶋、一番指名だぜ」
最悪だ。一番は絶対、恭平辺りにいくと思ったのに。
「ほら、行けよ。そこにあるお茶持ってくの忘れんじゃねえぞ」

