「そっか。美夜は知らねえか。俊先輩が足速いの」
「理玖も足速いもんな。何となくだけど想像つく。それくらいの事で騒ぐ様な話し?」
「問題はそこじゃなくて、二人が出ると目立つんだわ」
キャーキャーと声を上げる女子の姿が一瞬にして思い浮かんだ。
「はは。……そんな感じ、しないでもないな。……えっと、それで?」
「中学の時、クラス対抗リレーってのがあって、先輩と理玖が丁度同じクラスだったのよ……」
理玖の事を気にしているのか、恭平がチラチラと目をやっているのが分かる。
「理玖が1年、先輩が3年。アンカーは先輩だったんだけど、この二人飛び抜けて速くてさ……」
「カッコいいじゃんっ!!」
「そりゃ、まあ、見てるぶんにはカッコいいけど、先輩ってやたらモテるだろ?」
「まあ、そうだな。見てるかぎり……女に不自由なさそうだし」
嫌な予感が頭を過った。
モテる奴には、大抵、敵も多い。

