「う、うるさいな。男と男の話だっての」

「男と男の話しっつったら、あれか?」

「恭平、朝からうっさいぞ」


茗のキックが恭平のスネを捉えた。


「っ痛!」

「おい、大丈夫かよ?恭平…」


顔を上げた恭平が、ハハッと笑ってスネをさすった。


「……で、先輩と話しって?」

「あーっ、と。どうしたら先輩みたいにモテるか…とか、だったかな」


苦し紛れの言い訳をした。


「何?お前モテたいの?」

「当たり前だろ」

「お前、暑さでやられたんじゃねえの?…兄貴なんかに相談してたら、普通の恋愛できなくなるぞ」


小さく呟いた理玖は、バカらしいと、席に行ってしまった。



「ほらほら、恭平も分かったなら良いだろ。一時間目はじまるぞ」

「おう。一時間目は軽く寝れそうだし。んじゃ、またな」