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「どこもかしこも便所こんでんのな」
コンビニの傍で、茗と理玖を待ちながら、ぞくぞくと出入りする人に恭平が首を振った。
「美菜」
「ん?」
「美夜は元気にやってる?」
「あー、うん。元気だよ。うんっ」
「そんなら、良かった」
騙してごめんね、恭平。本人ここにいますし、見ての通り気だから心配しないで!
「ところでさ、美菜の彼氏ってどんな奴?」
「どんなって、この間茗が言ってた通り嫉妬深い……かな」
嫌な流れになってきたな。返事に気を付けなきゃ。
適当に話切り上げよう……、と、思った時、恭平が興味津々尋ねてきた。
「見た目は?」
「えっ?」
「だから、見た目」
見た目ったって、まず彼氏いないよ!
焦った瞬間、恭平が口にするタピオカジュースに目がいった。

