「どうせ行くなら理玖の奴連れてけっての。適当に洗い流すくらいなら出来んじゃねえ?な、呉服屋」
「はあ?何で俺が。そんなこと出来るわけねえだろが」
「適当で良いっつってるしよ」
だけど、ちょっと待って!このままだと私と恭平の二人になっちゃう。
そうじゃなくても、茗がここを離れたりしたら、私は恭平と理玖の三人で居なきゃなんない。
一応、彼氏がいるって事にはしてるけど――。
「恭平、私達も着いてこうよ。トイレの傍で待ってれば良いわけだし。夜店なんかはその後で」
面倒そうな顔をした恭平だったが、「まあ、いっか」と、頷くと理玖の手からタピオカジュースを奪い、先頭をきって歩きだした。
「お前ら、早く来いよ」
そんな恭平を追う様に私達は小走りに歩を進めた。
辺りでは、女性アナウンサーによる花火の紹介が響いている。

