「美夜ちゃん。茗を頼んだよ」
いや、頼まれても困るんですけどね。
こっちはこっちで、自分の身を守るのが精一杯ですし。
とは言え、叔父さんが、茗を何度も何度も説得し続けてくれたことは痛いくらい分かってる。
だけど、茗は頑として叔父さんの話しを受け入れることはなかった。
あの高校に行くなら、私と一緒だって。まったく、何考えてるんだか。
「おい。まだ用意出来てねえのかよ?」
「叔父さん、茗が呼んでる。行きましょう」
「ん?ああ」
叔父さんの微笑んだ瞳は、私が見ていた頃の優しかった母さんに少し似ていた。

