声の方向に目を向けると、茗の浴衣の袖にアイスがベットリ。 謝ってるのは、私達と同じ年ほどの女の子だった。 「私ったらボンヤリしててっ!!」 慌ててハンカチで拭おうとするその子の手を止めながら、さっきまで仏頂面だった茗の顔が緩んでいる。 「大丈夫だから気にしないで。どうせ汗かいたりするし、軽く水で流しとくから」 「でも……」 「良いから良いから」 「……そうですか?本当にごめんなさい」 深々と頭をさげる女の子にもう一度笑いかけた茗は、私達を見つけるや否や、走る様にやって来た。