そういや、叔母さんが近頃この辺り物騒だって言ってた様な。 まさかね、まさか……。と、次の瞬間 「お嬢さん……」 低い声が耳をかすめた。 振り返る事も出来ず、嫌な冷や汗が額に滲む。 「お嬢さん……」 「俺!!女じゃないです!!」 思わずウィッグをはずしてしまった。 「……」 静かになった事にホッとしたのも束の間―――、吹き出す様に笑い声が響き渡った。 「あははっ。ビックリしたな。ほら、これ、君の財布じゃないかい?」 「えっ…。財布?」