「よお、偶然だな。理玖」
「……」
先輩の隣に立つケバい女を見た理玖が、明らかに不機嫌そうな顔をしている。
「珍しいな、お前らも女連れか?って……ソイツ」
「やっぱ先輩も俺らと同じ事思ってるでしょ?この子、美夜の妹っす」
「妹?」
「アイツ、双子だったらしくて、俺らもさっき知ったばっかなんすよ」
「こんにちは、美菜です」
挨拶程度に頭を下げた私は、茗の後ろに身を隠した。
「可愛い奴じゃん。で、兄貴の方はどこよ?何で妹がお前らと居て、美夜ちゃんがいないわけ?」
「美夜は親戚んとこらしいですよ。夏休みは、そっちにいるって」