「子供の頃の話なんだけど、茗の奴ともこんな風に雨の中に居た事あって、小っこい傘の下で二人で話てたんだわ」
前を行く親子連れが、遊園地の話をしているのが聞こえ、昔の自分と重なり合った。
「話って、どんな感じの?」
「俺んちの親ってさ、結構歳いってて、前に住んでた家は爺ちゃん達と同居だったから、妙に古くて、茗んちが羨ましかったわけよ」
確かに。茗の家は、庭付き一戸建て、意味のない客間とか、訳分かんない絵とかあって、見るからにお金持ちっぽいもんね。
そう言う私んちはマンションだったけど。
「それで、その日、言ったんだよ。お前んちって家もキレイで、親も若くて羨しいなって」
「うん…」
「そしたらアイツ、"どこが?"とか、言うわけ。まあ、アイツにしてみれば、当たり前の事だし、羨ましくも何でもねえよな」

