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「すごい雨だなー」
「……うん」
ちょっと濡れちゃったけど、一応、ベスト着てるし、大丈夫かな。
頭ではそう思いながらも、ついつい不安になってしまう。
身体を縮こませていると、恭平が側にあった自販機から、ホットコーヒーを買ってくれた。
「季節外れのホットだってよ。飲んでろよ。温まるから。合間見て寮へ帰ろうぜ」
「ん…。悪ぃ…」
恭平の優しさを踏みにじってる気がする。病弱なんて、嘘なのに――。
あまり好きじゃないコーヒーを一口飲み、ボンヤリと街を見ていると、いつも陽気な恭平が、物静かに話し始めた。
「俺さ…、こういう雨の日になると、時々、思い出す事あるんだ……」
「思い出す事?」

