海美はそこらにいる人魚とは違う。

このアクアサンシャインのお姫様でもあり

何しろ100年に一度生まれるという子だから。

海美は歌を歌うと不思議な力が使える。

その能力のせいでいじめられてきた。

いじめられてるから友達すらいない。

俺は海美のことが好きとか関係なく、
ずっと側にいた。

時々悲しい顔するけど俺に向かって無理にでも笑う。

俺は言えなかった

ーー無理に笑うな。

って。

「どうしたの?黙って。」

「いいや。なんもねぇよ。」

「そう?」

「ああ。それより今日お見合いだろ?」

今は放課後。

今日は海美のお見合いがあるとかなんとかおばさんが言ってた。

おばさんはこの国のお妃でもあるけど、別にいいとその呼び名で許してくれた

「うん。」

「…はあ。」

「なんでため息?」

「別に…。」

変なの

そう海美は呟いた。

いつもお見合いにやってくる男は
ほとんど…全員だな。

地位と権力。

それ目当てだ。

そんな奴らに海美を渡してやるかっての。