*********
あれから10年
俺は29になった。
ルキがいなくなって俺は岩のそばでよく寝るようになった。
何時ものように寝てた。
その時何かがぶつかった。
「痛い…。」
「誰だ。俺の眠りを邪魔をするやつは…。」
すると間抜けな声が聞こえた。
「しゃ…べった?岩が…。」
失礼な。
「岩じゃない。喋るに決まってる…なぜお前俺と話せる?」
人間が喋るはずもない。
しかも人間といえば海に入る時真っ黒ななんかをきてその周りをぷくぷくと泡があると聞く。
「ん?私普通に話せます。」
よく見ると尾びれがついてある。
「お前人魚か。ん?そのネックレスは」
「はい。私はマリラーヌ国の王の娘です。」
マリラーヌ国か…
なんでも人魚が暮らしているという所と聞いたことがある
「そうか…。ところで、お前俺が怖くないのか?」
こいつだって俺のこと怖いに決まってる。
覚悟して聞いてたら
「怖い?なんでですか?」
「皆、俺は怖がられる。魚も人魚も…人間も。」
「そんなことないですよ。サメさんはいい人です。」
人じゃないんだけどな…。
一応サメだから。
そこは置いといて。
いい人…か。
「友達に…なってくれませんか?」
「いいぞ。宜しくな海美。」
友達か…
今度はこいつのことをしっかり守らないといけないな。
ルキの時みたいにならないように…
海美、お前のことは俺が命かけて守るから。
そう俺は決めた。



