慧の好きな人って誰なんだろう… 私が知ってる人かな… 慧にとっては、 その人と付き合った方が幸せなんだよね… その後、私はどうなるんだろ 慧は私のことなんて忘れて、 私から離れて行くのかも… 「いやだょ…」 視界が歪む。 「翼?まだ残ってたのか?」 急いで涙を拭き、 気づかれないように俯いたまま話した。 「今から帰るとこ…」 「そっか、じゃあ一緒に帰ろーぜ!」 「…うん」 いつもは断わるけど、 その日は慧と一緒にいたかった。