「ようこそ!君も華憐から、なんだね」

満面の笑顔に迎えられて、可憐はT.L.C.に入った。

驚いたことに、ホールにいるホステスのほとんどは、華憐の女の子達だった。


シートは殆んど満席で…酔っ払ったホステス達が騒いでいた。中には、服を脱いでるホステスや、お客もいて…むちゃくちゃな様子になっていた。

それは、華憐では考えられないことだった。


「今日は忙しくてさ…。女の子足りなかったんだよねえ〜。助かるわ」

可憐は、ホールの横にある控え室に案内された。

「化粧が終わったら…すぐに出て!格好は、どうでもいいから!今日は、盛り上がってるから、服なんて関係ないから」


店長に促されて、控え室に入った可憐は、いきなり奥から話し掛けられた。


「あんたも、来たのね」

それは、鏡の前に座り、化粧直しをしているサキだった。

「サキさん…」

華憐No.2のサキがいることに、可憐は驚いた。

「驚いたわ」

逆に、サキからその言葉を言われ、可憐は目を丸めた。

サキは、鏡の自分を見つめながら、フッと笑った。

「意外だわ…。あなたは、絶対…華憐から離れないと思ってたから…」