次の日。

早速、携帯ショップに向かった。

学校帰りの駅前の…小さな携帯ショップ。

家族割とかいろいろあったけど、

可憐には、よくわからなかった。

「これ!可愛い!」

と手に取った携帯の値段に…可憐は目を丸くし、

携帯を、ディスプレイの台に戻した。

「やっぱり…値段よね」

ため息をつくと、肩を落とした。


「予算は、八千円」

気を取り直し、特価コーナーにいこうとしたが、

その前にやることがあった。

可憐は、学生鞄に手を突っ込むと、

奥から、携帯を取り出した。

死んだ母親の携帯。

アドレスは、一件も登録されてなく…着信すらない。

「こんな意味のない携帯…よく持ってたわね」

この携帯を、解約するつもりだった。





「解約料!?」

受付に座った可憐は、思わず、立ち上がり、

ディスクの向こうに座る店員に、顔を近づけた。

「は、はい…」

椅子に座りながらも、少し後退った店員は、説明を続ける。

「このお客様の携帯は…最近、契約更新されておりまして…解約料として…一万円…」

「一万円!?」

予算オーバーだ。