【栞菜side】


あれからも、イジメは続いてはいるが前ほどは気にならなくなった。




宮野瞬のおかげだろう。
あんなに嫌っていたのに、今ではお礼を言わなければならないほどだ。





それから、私は人の目を盗んでは屋上に行っていた。



「……やっぱり、屋上にでるとすっきりするわ」

私は、さわやかな風を感じながら、親友のことを思い出してた。



今までは、思い出すことさえつらかったのに、
思い出しながら笑っていられるようになった。




学校で笑うことも増えた。
もちろんここでだけなのだが。


「……一度お礼を言わないといけないかな」