莉音は私の手を離した。


「こっから先は、一人でいきなよ。大丈夫」

「分かった。行ってくるね」


「行ってらっしゃい」

私は、嬉しそうな莉音に笑顔を見せた後、自宅に向かって走った。











着いたとき、家の前には宮野がいた。



「宮……瞬っ!」


久しぶりに呼ぶ瞬の名前。


「栞菜?」

私は、瞬に駆け寄り抱き着いた。



「え、おいっ!」


「私、瞬が好きっ!たとえ、兄妹だとしても、瞬が好きっ!」


恥ずかしくて上を向けないけど、瞬をぎゅっと抱きしめた。


「……お前、心臓の音、はやい」

「だって……」

「俺も、はやい。……嬉しいよ」


瞬は、私を優しく抱きしめてくれた。


「栞菜、俺と、付き合ってください」

「はい……」

私は、瞬を見上げて笑顔で言った。

そのあと、瞬は私に優しくキスをした。

心がすごくあたたかくなる、瞬の気持ちが私に流れ込んでくるみたい。


その気持ちは、私のすべてを包み込んでくれるような感じがした。