「だって、私は慧君に。栞菜は瞬君に惚れちゃたんだもの。宮野家に惚れちゃったんだものね。すごいわね」



「そうだね……」


ママは私の近くに屈んで私の目線に合わせていった。




「栞菜は栞菜の恋を優先してちょうだい。私や慧君は大人だもの。でも、栞菜の高校生は今でしょう?しっかり楽しんでほしいのよ。実はね、この春休みにというか明日、瞬君が慧君のところに来るのよ。だから行きましょ。瞬君のところに」




宮野が、来るの……?




この近くに?





――――会いたい。宮野に会いたいっ!




「うんっ!行くっ!さっきはごめんなさい、ママ。明日宮野さんにも謝る」



「うん。私は、あなたが笑顔でいることがすごく幸せなのよ。だから、笑っていて?栞菜の笑顔が大好きなのよ」




ママ……



「うんっ!」



私は笑って頷いた。