「避けてない、です」


「その話し方も変。何で敬語なの?」


仕方ないじゃん。緊張してるんだから。


「別に何も…。何か用?」


前の私なら飛び跳ねて喜んだに違いない。


あの夏目くんから話しかけられてる上に、手まで握られている。


本音をいうと、今だって全身が熱いくらいに嬉しい。


何なら、抱きついてしまいたいくらいだ。