私が知らない夏目くんがそこには居る。 ズキッと胸が痛い。 苦しさのあまり俯いていると 「あ、夏目好きっ子ちゃんだ」 そう、頭上から聞こえた。 パッと顔を上げると、今朝あった夏目くんの友人さん。 確かな前は……。 「鍋内です。夏目以外には興味無い?」 そうそう、鍋内君だった。 鍋内くんの言葉に、ははっと小さく笑った。