翌日、

「おはよう、柚希さん!」

私が教室に入ると日菜(ひな)さんが、にこにこして駆け寄って来た。

「おはよう、日菜さん。」

私はにっこり笑って挨拶を交わした。


ここは、桜ノ宮女子学園。

1ヶ月前、私は高等部2年に進級した。

この学校はどこを見てもお嬢様ばかりで、みんな嘘臭い笑顔をする。

みんな“自分が1番お嬢様”だと思い込んでいて、家柄と金が全てだと思ってるんだ。


馬鹿みたいでしょ?


……勿論、こんな学校に居ても楽しいわけもなく。

ただ淡々と、学校生活を送っている。