「あれ。杏ちゃん、顔赤くね?」
「っへ? ななな何にもないよ?」
「変なヤツゥ」
嵐さんがまた馬鹿にしてきた。それにむっとしつつも、鬼ごっこがスタート。
「鬼誰ー?」
「んじゃ俺行くわ」
一番初めは嵐さんだった。ノリノリでめちゃくちゃ怖い…。
「んじゃ10秒前ー」
仕方なく近くの茂みを見つけては隠れ、どんどん奥へと進んでいった。
(あれ…)
ふと足を止めると、元の場所からかなり離れていた。
それに森の中らしく皆の声も聞こえない。
「…」
1人になるといつも思い出してしまう。
『杏ちゃん、無様ー。もっとこけろよ。そんで傷とかさいっぱい作って、見せてよぉ』
『杏ちゃんキモイ。何で学校来てんの??』

