「直…樹?」
「…おぅ」
直樹って呼ぶと、彼の頬が少し赤くなった。
それが少し可愛く思える。
「あたしは湯口 杏(ユグチ アン)」
「杏か。いい名前だな」
「そう…かな…??」
意地悪そうに笑みを見せて、あたしの隣に座った。
「なぁ…、まだ7時なんだけど」
直樹が呟いて、あたしの肩を抱き寄せた。
心臓がドクンと高鳴って、目を閉じる。
何をされるんだろう…??
あたしの知らない、未知の世界とか…?
少しだけ期待をしつつ、彼の言葉を待っていると。
「ご飯作ってくれ。お腹空いた」
「っへ?」
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