「…嘘だよね?」
「嘘じゃない」
静くんは泣かずに、唇を噛み締めていた。
「じゃあ約束な!」
「え…?」
蒼太が立ち上がって、静くんの前に立った。
そして小指を見せる。
「いつかは絶対に会う! 約束破ったら、はりせんぼんだぞ!」
それを聞いたあたしは小さく笑った。
「はりせんぼんって…」
「何だよ! いいじゃねぇか! ほら、3人で!」
あの時、皆で約束をした。
だけど静くんからの連絡は一切なかった。
そして中学校でまたいじめが始まってしまったのだ。
ずっと静くんがいれば、なんて考えてしまうくらい寂しかった。

