それから毎日、蒼太は遊びに来た。
あたしも蒼太のところに行くようになり、唯一の友達となっていた。
小学校に転入して皆の瞳を見た。
だけどそれは悲しいものだった。
「おい、お前金持ちなんだろ?」
「どんなお嬢様なんだ?」
「もうさ、大人なことした? どんなんだった?」
あたしは顔だけで嫌な視線を向けられる。
泣きそうになったとき蒼太が皆に怒鳴った。
「おい! 何言ってんだよ!」
「蒼太…ごめんなさい…」
「お前は悪くないよ」
そう言ってくれたのが、蒼太の友達の静村 陵(シズムラ リョウ)。
学校であたしは静くんと蒼太でいるようになった。
静くんというあだ名は蒼太が名づけたのだ。
初めは嫌がっていたけど、慣れたら何も言わなくなった。
長いようで短い6歳の年はあっという間に過ぎた。

