暴走族に愛された不登校女子。






小鳥の鳴く声が聞こえる。



目をゆっくりと開けると、温かい布団に包まれていた。

隣には直樹が寝ている。


その寝顔は幼くて可愛く見えてしまう。




「……」



ズキッと身体中が痛んだ。

(そういえば顔も殴られたんだっけ。酷い顔しているんだろうなぁ…。腕とかも直樹の服で巻かれてるし…)



ゆっくりと起き上がって、近くの携帯を取ろうとした。




「な、直樹…」




直樹の腕があたしの腰を掴まえていて、全く身動きが取れない。




「少しでもいいから力を緩めてくれたらいいのに…」






男の人の力は、あたしには敵わない。





何とか腕を伸ばして携帯を取ると、もう1度布団の中に入った。



画面であたしの顔を確認すると、頬や目の下が少しだけ腫れあがっていた。




(結構酷い顔だな…)




携帯を元の場所に戻すと、時計を確認する。