暴走族に愛された不登校女子。




「ここ、座って」


「うん」



ベッドに座ると蒼太は消毒液を持って来た。



「ごめん…きつく言って」


あたしが謝ると、蒼太の表情が変わる。

驚きながらも安心したような表情だった。




「俺の事は、嫌いじゃない?」


「うん…」




「…じゃあ聞いていい?」


「ん?」



ガーゼを腕に貼り終えると、蒼太が隣に座った。



「誰と今、一緒にいんの?」



蒼太は心配げに見ていた。



あたしは握られた腕をずっと見つめていた。





「…優しい、男の人」



「やっぱ、嘘じゃないんだな?」




「うん…」




すると蒼太の顔に笑みが見える。