杏、キミへの気持ちはなくならない。
でももう、誰かの傷ついた顔は見たくないから。
だから内緒にするよ。
杏への思いを、そっと流すように空を眺めていた。
――それから杏は直樹って言う人と、近々婚約すると聞いたのは、何年か月日が流れたときだった。
僕と蒼太は近場の大学へ進学した。
相変わらず杏とは、他愛のない話をして盛り上がった。
蒼太は大学で出会った人に片思い中らしい。
そんな青春の話を蒼太から聞いて、僕は小さく笑った。
「なぁ、僕等は友達?」
いつの日か蒼太が言っていた言葉を思い出した。
大学帰り、もう日が沈みかけていた。
蒼太と杏は驚いた顔をしたけれど、すぐに笑ってくれた。
「友達に決まってるでしょっ」
「あぁ、これからもだよ」
そう言ってくれてよかった―…。
2人がいてくれて、僕は本当に幸せだと感じていた。
END*

