「何か、見つかったらしいわ」
「えっ?」
あまりにもあっさりとした言葉に拍子抜けしてしまう。
「場所は―…」
小呉の呟いた言葉に息を呑む。
そこはあたしの記憶に閉まってあった場所だった。
「あたしが引っ越してくる前のところだ…」
急いでその場所に向かうと、懐かしい景色が広がっていた。
「お前、昔は田舎町にいたんだな」
小さな村のはずれにある、田舎町。
こんなところに2人はいるのだろうかと、はやる気持ちを抑えて辺りを見渡す。
「……戻ってこないんですか?」
蒼太の声がして、そっちに駆け寄った。
確かに2人の姿は見えた。
そして、2人の前にはお母さんがいた。

