何故か皆が空気を読んで、病室を出て行ってしまった。
2人きりの病室は物凄く静かだ。
「ら、ライバル…?」
「…蒼太と智」
「……だから、蒼太は幼馴染で」
「それがむかつくんだよ。俺の知らない杏を知ってるし…」
唇を尖らせる直樹はどこか幼く見えて可愛い。
「ヤキモチ、妬きすぎ」
「うっせ」
強引にキスをされて、軽く押しても全く力が敵わない。
「んっ…、く、苦しいってばっ…」
「帰ったら慰めてくれって言っただろ」
「ここでしなくたって…」
じっとあたしを見つめた直樹は真顔で呟いた。
「今しなきゃ、俺が耐えられない」
「…本当に、素直なんだか…」

