その前に、コイツをどうにかしなくてはならない。



「…美沙はいつだって、智って叫んでた。



だけどなァ…。

体は正直で、どんどん俺に溺れた。




心は智のモンでも、体さえ俺のモンだったらそれでよかった…。




でも何でだろうな?






こんなにも虚しく感じるなんて…」




それを聞いて、智の瞳が揺らいだ。






(お前は心の底では美沙が好きなんだな…)







俺はそれを確信して豹也に向き直ると、今にも泣きそうな顔だった。





「どうしてっ…、俺は…愛されねェんだよっ!!」





愛されない男はこうやって壊れていくのだと痛感した。