暴走族に愛された不登校女子。








-小呉-



うちは弱い。





お金持ちな家庭で、ずっと甘やかされるのが当たり前だった。

その中でもお兄ちゃんは、特に優しかった。





暗い顔をしていたら、いつだって話を聞いてくれるの。



「俺がそんなもん、退治してやるよっ」




そう、笑顔で言ってくれたわ。




だから調子に乗りすぎたの。




美沙に苛められた小学生のとき。



うちと同じ様に苛められていた杏っていう子は、未だに粘り続けて学校に行っている。



どうして?





あんなところ行かなくたっていいじゃない。


やめればいいのよ。




パパに言いつければ、何だって解決するのだから。