「まぁいいや…」
「それで? 貴方はここに来て、美沙をどうやって見返すのよ」
あたしは息を吐くと、意を決して小呉を見つめた。
「…彼氏と別れさせるの」
「わー…めんどくさそうね」
「…それと」
「ん?」
「あたしの彼氏を止めなくちゃいけないの」
「……杏?
何でここに来たんだよ?」
酷く懐かしく聞こえたその声に振り返る。
「あ、…直樹」
「…ンだ、コイツ。何で杏を苛めたヤツがいんだよ」
「…うちも悪いと思っているの。
だからこうして、着いてきたのよ」
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